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dogs laying down sleeping

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car

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Music Exists

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DRIFT#3

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Sonic Protest

ソニックプロテストはパリを中心に開催される音楽フェスティバルで、毎年大きな会場でいくつものライブが企画されて、展示は今年は僕だけ。そしてその展示期間中に、フェス主催でフランスの何都市かをツアーして回るというプログラム。展示もツアーもで大変なのはわかったけど、もともと去年参加するはずで広報もされていたところを僕が入院でキャンセルしてしまった経緯があるので、できるだけのことはやるつもりで。パリでのフェスティバルのプログラムはほとんど体験出来なかったけれど、ツアーの間に訪れたいくつかの街で、バンドや他のアーティストのパフォーマンスを見ることができた。会場が田舎の小さい町のときは僕ひとりだけで、でもそういうときは与えられた環境に焦点を当てやすいので、それはそれで内容も濃いものになっていたのかも。ちなみにフランスでは必ずライブの前に食事の時間が設けられていて、料理人が来て会場で手作りされることがほとんどだけど、キッチンの内容な会場のときはレストランを予約してあったりして、それをスタッフや関係者全員で食べたりする時間がひとつの楽しみだったりもする

まずはモントルイユでの展示設営から。ちょうどパリとの境界にある会場で、80坪くらいの大きいスペースがひとつと、10坪くらいの小さいスペースがふたつ。迷信の科学というのは2009年に東京で発表した作品で、フェスティバル側からぜひこの作品をという話がまずあって、リメイクには基本応じないのだけど、一年越しであらためてよんでもらえたとあらば、提案されたことはなんでもやってみようの気持ちで。作品を構成するディティールや具体的なオブジェクトはほとんど変わってしまっているけれど、オリジナルのコンセプトは継承したつもり。会場寝泊まりだったんで朝から晩まで作業して、材料を調達するためゴミ捨て場なんかをウロウロするのとおなかが空いたとき以外は外に出ることもなく。エアーコンプレッサーを貸してくれたチエリさんは、資材の不備があるたびになにかとよくしてくれるのでなんていい人なんだとおもったら、以前メッスでフェスティバルに参加したとき僕のパフォーマンスを見たそうで、なにか一緒にやってみたいとおもってたんだって。他にもパリ中探してもらってもみつからなかったパーツをヴァンサンという地元のアーティストが持ってきてくれたり、いろんな人に助けられた。ヴァンサンと、会場の管理人のギウムと僕と3人で、ああだこうだいいながらぐりぐりいろんなところを弄くり回した結果ヴァンサンの大切な私物を壊してしまって、でもお互いのおもう作業効率や手順における合理性をぶつけあうその経過がやたら可笑しくってゲラゲラわらった瞬間があって、今回の制作におけるハイライトだったかな


初日のパフォーマンスは展覧会のオープンにあわせたもので、事前に主催チームと15分くらいかなーなんて話してたのを、結局2時間もやってしまった。出てきて15分だけ人の注意を引くためにちょっとなんかやって、あとは石の内円がだんだんと小さく中心へ向かっていくなか、外円の観客は外へ溢れていくというコントラストただそれだけのこと。通訳のマリコさんにお手伝いいただいて勉強したフランス語を事前に録音して電話一発で場内放送できるように仕込んでおいたけど、結局使用しなかった。そもそも最初の15分も注意を引くためで、内容からいったら蛇足でしかない。そのまま全員が愛想尽かしていなくなるまで黙って立っててやろうとおもったけど、誰かに話しかけられることでなんとなく終了。2009年の東京でも初日にほぼ同じようなことをやっていて、あのときもお客のひとりに話しかけられてどっと緊張が解けて終わったのだった。でも前回は20分くらい、今回は2時間。それだけの時間が必要だったともいえるし、結局何も成し得なかったような気もする。なんでこんなことになってしまうのだろう。でも拍手で終わるようなパフォーマンスをあの場でやっていたら、どうしようもないくらい落ち込んでたのは間違いなくて。いつかの青森での展示の初日がそうであったように

 

かんがえてみるとこのときからもうすでに今回のようなかたちで作品を発表することに疑問を感じていた。ヨーロッパの大きな都市では、音楽なら音楽、美術なら美術、そのなかでも細分化されたジャンルがきっちり分断していて、観客の期待するものがはっきりしている。だからただ言われたことをやっていてもそこにはめられるだけで、わざわざこんな遠いところまできて何をやっているのだろうという気にならなくもない。ここでしかやれないことって一体なんだろう。自分はやはり作品だけじゃなく、文脈からつくってくことでしかつづけられない


ツアー初日、エヴルー。エヴルーもモントルイユも便宜上そう書くけど、そのまま発音しても伝わらない。小さい街で、会場は巨大なパーキングエリア。ここでライブなどのイベントをやるのは初めてだそうで、それを聞いただけでいいライブになる予感がしていた。特殊すぎる環境ゆえアイデア面における会場からのフィードバックが多くて、やっててすごく楽しい。オーガナイズのフランクはコンセプチュアルなインスタレーションの作家で、彼の家の屋根裏のホームシアターにはNO SIGNALと書かれた絵が飾られている。お昼を食べたバーで、夕飯を食べたレストランで、途中で歩いた街中で、知り合いしか住んでないのかってくらい、道ゆく人それぞれと挨拶を交わしハグして歩くのでおどろいた。ライブ前のご飯はこの日がいちばん豪華でおいしかったな。サーモンのタルタル、ガチョウのステーキ、タルトタタンなど

2日め、リール。天井がやたら低い以外は、わりと普通のライブハウスとギャラリーが併設したような会場。内容も今回のツアーのなかではわりと普通か。ツアーだと持ち歩くものが同じなので、毎回少しずつ回路というか、配線のサーキットを組み替えてみてはいる。前回とは反対方向の回路でやってみて、観客からのリアクションはわりと大きくても自分にとってはおもうほどのサプライズがない、ってそれは当然か。でも今日ははじめて対バンが二組いて、まずはBI-KIというサックスの2人組。わりと空間的でシンプルなコンセプトを曲でやるんだけど、この会場でやりなれてる感じ。出音が素直で気持ちよかった。もうひとつ、ジャン=リュック・ギオネとトマ・ボンバレのデュオ、というか、バンドかなこれも。ヘンテコリンな爆音ノイズだけど音の選びがインテリぽくて、こういうの久しぶりに聴いたなあ。トマの演奏がパワフルかつとっ散らかっていて、ときどき笑ってしまう感じがあってよかった


3日め、マルセイユ。オーガナイズのマチウの案内で少し街を歩くことができた。いつかネイサンから言われた、僕がやってることにもっともフィットしそうな街。展示の搬入中はずっと天気がぐずついていたのに、このツアーが始まってから毎日快晴。会場は三角形の中央が庭になったギャラリーで、中央でイワシを焼きながらのライブパーティ。今回のツアーでもっとも複雑なことをやったけど、そのせいで一部パフォーマンスの中身がブラックボックス化してしまったかも。終わったあと目をまんまるにしたやや年配の女性の話を聞いていたら、アルコールに火をつけた瞬間香水よりいい香りがしたとか、ベビーパウダーが床に散る音が聞こえたとか、リアクションがかなりドープなところにいってて可笑しかった。炎は催眠作用が強いので取り扱い注意。いろんな人にうちに遊びにこないかと誘われたけど、明日も早いのでもちろん行けない。でも行けないことに少しほっとする自分

4日め、ボルドー。今回唯一のシアター公演。PAも回路に組み込んでのセッティングで、音数的にはかなりスッカスカな内容。悪くないとおもうけど、ライブ直後のリアクションが最も薄かったのは、この街の傾向なのかな。対バンでアクースモニウムのグループや、映写機入りの地元ジャンクバンドとエジプトのバンドが出ていて、とくに地元バンドの盛り上がりがすごかったけど、僕はあまりのれず。エジプトのメンバーと楽屋が一緒だったので少し話した。片言の英語で自分たちが回ってるツアーのことを話してて、どうやらこれだけの大きい規模でのツアーは初めてらしい。フランスはいいけど、ロンドンは最悪だったんだって。片付けを終えたらロビーに出展していたシルクスクリーンのアーティストが自作のポスターをくれて、僕の着ていたジャケットにもプリントしてくれた。バーのDJやなんかも一緒になってわいわい集まってきて、口々にまたボルドーに来てくれといわれ、街の印象ががらっと変わってしまった。なんだかんだいってやっぱり反応がないと寂しい。移動も長く会場とホテル以外どこも行けないタイトなスケジュールだから、せめてその場で来てよかったとおもいたいんだな

5日め、ロンドン。オープンから何度もやってるcafeOTO。スタッフがどんどん入れ替わって、もう現場に知ってる人はほとんどいない。ソニックプロテストとの間でいろいろと情報の齟齬があって、予定されていた迎えがなく、代わりに乗ったタクシーの運転手がレイシストぽくてときどきどこの国かわからない言語で悪態をついてるのがわかるし、ツアー前に渡された情報のホテルも予約されてなくて休めないしで、ライブをやる前に疲れ果てて帰ってしまいたくなった。最初からわかってれば全部自分でなんとかするのに、オーガナイズされてるときいて何も準備をしていなかったから。でもロンドンはこれまで幾度となくやってる街で、友達もいるし、いつも来てくれるような馴染みのお客も多い。ライブの内容もよくて、自分にとって新しい展開があった。対バンの若い2人組もとってもいい人で、今日のことをずっと楽しみにしてたんだって。ライブのあとデールが迎えに来てくれて、さわデール邸に泊めてもらう。終わりよければすべてよし、、なのかなあ。ツバメちゃん、かわいかったな

ここで一度パリ/モントルイユに戻って、展示の搬出。ギウムが展示へのいろんなリアクションを聞かせてくれる。毎日ちがう近所の幼稚園や小学校の生徒が先生の引率でやってきたそうで、これまでここでやった展示のなかでいちばん反応がよかったって。美術館とかでなくとも、そういうことをやる習慣が地域に根付いてるんだな。小さな子にみてもらえるのはありがたい

6日め、ディジョン。この日のライブはディジョンの現代美術館やらなんやらが絡んだパフォーマンスのフェスティバルのプログラムで、主催のチームとソニックプロテストは直接の知り合いではないらしい。僕の会場となったヴォルテクスというスペースもまた別のチームで、内情いろいろ入り乱れててよくわからなかったけど、会う人会う人みんなとてもいい人たちで、パフォーマンスもやりやすかった。スピリチュアルとは縁遠いのに、この日はライブ中会場にいた数人と交感できてるような不思議な感覚があって、いつどのタイミングで踏んだプロセスがそうさせたのかを、今書きながら思い出して検証中。僕のが終わってすぐ地元大学の敷地内にある別会場へ移動して、そこでつづきのプログラムをいくつかみた。最初に演奏していたクラフトワークのコピーバンドはこの大学の学生たちで、最初にベースくんの音が出ないだけでメンバー全員が振り返ってベースくんのおろおろする姿を心配そうに見守るという、初々しくかわいらしいライブだった。後から聞いたら彼らは3年連続この会場のプログラムの最初に演奏していて、去年はデビッドボウイ、一昨年はジョイディビジョンだったらしい。なぜだかちっともうまくならないんだな。曲もだんだん簡単になってきてるし

これでフランスはおしまい。今これを書いてるのは移動してきたチューリヒのフェスティバルTAKTUNの会場楽屋。展示をみてきたけど、どれもおもしろかったです。僕のパフォーマンスは明日と日曜日。いいライブになる予感はあるけど、今は疲れたのでホテルに戻ってはやくゴロゴロしたい

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