2014年

4月

09日

 

相部屋の人たちがいるので、遅くなると灯りも消さないといけないし、音も立てられない。看護師さんもいつ見回りに来るかわからないとなると、最初はイヤホンで落語やラジオを聞いたりしてるのが、だんだんそれも疲れてくると、暗いなか目を閉じて考えごとくらいしかやることがなくて、考えるのも曖昧なくらい頭がぼんやりしてくると、食べ物のことを妄想し始める。そしてその時間がちょっとした楽しみだったりする。病院食の反動か、早く外に出たいだけなのか。以前、長時間のフライトで機内食がついてなくて、買いたくても在庫が無く、関空についたら何を食べるかを延々妄想しつづけたことがあった。まず自分がいま何をいちばん食べたいかを、関空のお店を一店舗ずつ思い出しながら検証してゆき、うどんにしよう、と決めたら今度はうどんのメニューを妄想の中で一品ずつ注文して、ぜんぶ食べて出汁を飲み終えたあとの満足感までをシミュレーションしていった。もはや絶対失敗したくなかったから。結果、妄想が功を奏して、あのとき食べたきざみうどん大盛りは格別だった。まあきっと何を食べても美味しい状況だったともおもうけど。渡邉くんから映画が数本届いたなかかに、CSで録画したという「蜂の巣の子供たち」があったのでドライブに入れたら、再生できない。確認したらDVDプレーヤーでしか再生されませんので退院後にどうぞ、と添え書きがあった。先々月シネヌーヴォの清水宏特集上映のときに本作と続編2作の合わせて3本を一気に観て、その台詞に影響されまくって、現場で真似ばかりしていた。誰も気づいてくれないのに。これ以降映画館に行ってないので、今も書きながら頭の中では主題歌がぐるぐる鳴ってる。2作め「その後の蜂の巣の子供たち」冒頭のよし坊のメタ台詞の破壊力がもの凄くて、場内の観客全員が目に見えるくらいのリアクションで仰け反ってKOされていた。これぞ映画館における映画体験と言ってもいいくらいに。いつかこの場面のパロディみたいなことをやってみたい。どこか軽い場で