ギブスカットに行くとき、ダメもとでもう一度看護師さんにシャワーのことを訊いてみたら、ストレッチャーで寝たままやったらいけるんちゃいます?ってことで、希望を持って先生に確認してもらって、いったん条件付きでOKが出て、晴れてシャワーが解禁、、されたのも束の間、その後二転三転して、結局はギブスを巻き直してあと一週間辛抱することになった。でも一度はできると思ってしまったもんだから、やっぱりダメとなったときの落胆といったらなく、顛末を見ていた看護師さんたちに同情され、せめて髪だけでも、ということで洗髪してもらえた。おかげで頭はすっきり。ギブスはグラインダーでカットする。医者はわりと電動工具を使うことに気づいたのは3年前に右手を手術したときのことで、複雑骨折にボルトを打つときなんて、まず電動ドリルで穴をあけて、次に先をドライバーに付け替えてボルトを締めるわけで。手術中は、自分の右手は直接見えないように、肩の辺りについたてが立てられていたのだけど、レントゲン映像のモニターは常時僕も見ることができた。麻酔で右半身の感覚が無くなってるから、何をされてる感覚もないし、モニターに写ってる右手の骨の映像も、自分のものではないような感覚になる。そのうちモニターの上部からドリルの刃先が回転しながら降りて来て、いざその刃先が骨に触れた瞬間、ガガガガガガ、、、と鎖骨あたりを経由して頭蓋骨まで振動が伝わってきて、そのときになって初めて、そうだこれは自分の腕だった、と自覚しなおすのだ。あともうひとつ興味深い体験があって、麻酔で感覚の無い右手を手術中に先生がひっくり返したり持ち上げたりすることがあって、感覚がないので何をされても自覚なんかないのだけど、持ち上げられた手がついたてを超えて自分の視界に入ってくると、いま自分の腕がそこにあるのだ、ということを、はっきりと自覚できる、その感覚が生まれる。つまり感覚よりも知覚のほうが先にあって、それを感覚が追いかけて来る。でも先の例でいうと、モニター越しだと知覚があっても実感には及ばない。これは自分にとって面白い発見だったので、パフォーマンスなんかでもときどき応用してる。今回は手術ではないので今のところ地味な変化しかないけど、一週間後にはコルセットが出来上がってくるので、それから少しずつ生活にも変化がある、のかな、たぶん。少なくともストレッチャーでシャワーが浴びられる。それだけでも、一週間後が待ち遠しい