桜が咲いてましたよー、と看護師さんが。外はもう暖かいらしい。「〇〇さん血糖測りましょうか」「はい、何?」「血糖!」「はい、アヒルのけ、、」「起きて!」「はい」最後まで言わせてもらえなかったけど、今間違いなく〇〇さんは「アヒルの決闘」と言おうとした。シャレのつもりだったはずだけど、そもそも「アヒルの決闘」自体が「真昼の決闘」のシャレなのか?食事のときカーテンの外から誰かの「いただきます」が聞こえて、そういえば入院以降、食事では「いただきます」をやってないことに気づいた。子供の頃からの習慣として、外食でも外国にいても毎日手を合わせて、いただきます、と言ってきたはずなのに、入院食を食べるときはそれを言わなくなってる。これってたぶん今の僕が、仰向けになった状態、普段「いただきます」をやるときの頭を下げる角度とは反対を向いた状態で食べてるせいだろう。実際に天井に向かって手を合わせて、いただきます、と言ってみて、やっぱりなんかしっくりこなかった。夕食のおかずは鶏肉とシュウマイで、肉が塊で出たことに高揚する。これまで、お麩を出汁に浸したようなやつとか、お麩を出汁に浸して卵でとじたようなやつばかり食べていたから。こんなことならもっと早くから通常食にしてもらえばよかった。塚原レコメンドで「かむろば村へ」いがらしみきお。「I」や「羊の木」などの近作を読んでるせいで、これもいつかなにか不吉なことが起こるんじゃないかとドキドキしながら読んでしまう。人間は勝手に問題をつくりだして、そのことで勝手に悩む。なにもしなければ楽なのに、それができない。入院してるときに読むには最適のお話