起きたら李さんから、今日も昨日もとてもよかったとメールが届いていた。初日については疑問もあるけど、記録のビデオがあるのならみてみたい。部屋を移動するまえに、頭を洗ってもらう。たまにしかできない洗髪が、この生活でいちばんの楽しみになった。途中で急に西光さんが現れ、体を拭かれる僕を見て、ええなあ、とつぶやく。阿呆すぎる発言だけど、こんな状況でも、人にうらやましがられることがあるとは。たまたま小さい頃に住んでいた田舎の話になり、Googleマップで検索したら、主要なところはちゃんとストリートビューでみることができた。こんな田舎の僻地にまで撮影に行ってるなんて。さすがに僕が住んでいた家までは道が細すぎて入って行けないけど。30年もたってるのに、川が舗装されていたり、道にガードレールが沿わせてあったりする以外は、ほとんどが僕が住んでいたときのままだった。會田くんとせいちゃんたちが僕の大好きな飲み物を大量にもってきてくれて、でもそのせいで部屋を移動するとき看護師さんに呆れられる。今度引っ越した大部屋は、以前ほど、おじいばかりではない。カーテンの外で歩き回ってる音や、独り言や鼻歌なんかも頻繁にきこえる。たぶん寝たきりは僕だけだろう。夜になって、以前から準備していた丸亀の展示のメンテナンス作業がはじまった。とてもシンプルなことをやるはずが、通信におけるミスコミュニケーションで複雑化してたいへんなことに。でも最終的にはなんとか作業も完了して、ほっとして眠る、はずが、眠れない。同室の人のいびきや歯ぎしりや独り言が気になるのではなく、眠れないからそれらが気になりはじめる。動けないストレスで、しばらくすると胃潰瘍の兆候がでてくるから、薬を飲まなければいけない、と主治医の先生に言われたことを思い出す。作業がうまく進まなかったことだけじゃなく、新しい部屋の環境に緊張しているのだとおもう。電話が壊れたので、しばらく通信のツールはパソコンだけになる。事故で〆切を延ばしてもらっていた原稿を書き上げた