2014年

3月

10日

ギブス

個室から6人部屋に移動したくない。正直こんなに行きたくないのは義務教育以来。でも展覧会も終わったんだから、仕方ない。全身にギブスを巻くための準備として、最初で最後のシャワー。ストレッチャーに移され、運ばれながら、シャワー室に入ってからも、ヘルパーさんからいろいろと質問攻めにあう。梅田さん、評判やで、異質やって評判、だってきのう外人さんきて喋っとったやろ?大きい荷物もって、外人が関空から直接見舞いに来たで〜ゆうて、えらいこっちゃ〜ゆうて。外国とか行くの?ヨーロッパとかも?何の仕事なん?なんなんそれ?ようわからんけどすごそうやな、プロジェクトとかいうてるもんな、その地点でもう異質やわー、あーもうどうしよ、いつもじいさんしか洗てないから無理やわー、自分でやれる?やってもろていい?なんでこの病院なん?ここ、どういう病院か知ってる?じいさんばっかやで、しかも家ないとか仕事ないとかそんなんばっかりやからな〜。搬送されてきたん?ウソやん!すご!青森から?まじで?ぜったい青森で入院したほうがよかったで。帰る?あはははは。実際のところ、僕がおじいでないこと以外はそれほど異質でもないし、外人さん〜のくだりはハイネのことを勘違いされたらしい。このまま病室を移動して、個室から大部屋に移る。窓際にしておきましたよ、日当りいいでしょ。なるほど、第一印象としては、おもっていたより広いし、静か。少し安心する。東京へ戻る皆が直前に立ちよってくれて、最後のお別れ。いろいろお世話になりました。捩子くんが昨夜、ソウルのフェスティバルボムのディレクター、李さんと電話で話したことを伝えてくれる。この先3ヶ月の仕事は全部キャンセルしてるけれど、ボムは近々過ぎて、チケットも販売してしまっているので、今からの中止がなかなかに難しい。なんらかのかたちで公演を実現できないか、と李さんは考えているとのこと。となると、やれることは本当に限られている。もともとは現地の中学生30人と会場を占拠する予定だったけれど、僕が行けないんだから、これはもちろん不可能。実現できそうなアイデアを話すと、やれるやれる、梅田くんならやれるよ、と捩子くん。じゃあやるか、という話になって、渡邉くんの予定も抑えて、あれよあれよと公演内容が決まってしまった。僕も手伝えますよ、と會田くん。期せずして、また同じメンツでやることになった。「おじいちゃん、ごはん食べるの好きでしょ?ごはん嫌いですか?好きですか?」「はい。」「いや、はいやない。ごはん食べるの、好きですか?嫌いですか?」「ああごはん、はい。」「はいちゃうがな、好きですか!嫌いですか!」「はい。ごはん、、」「はいやなくて、好きか!!嫌いか!!!」「はい!」「、、もうええわ」診察室へ移動して、ギブスで全身ぐるぐる巻きになる。巻かれる間は、なかなかに我慢の時間だった。胸から骨盤までがカチコチに固定されて痛みが軽減されたけれど、おしりのところでギブスがなくなって段差になっているので、これまでより寝るのが大変になった。部屋もこれまでより寒い。これからはクッションと上着が必要だ。眠れないまま朝になる