ハイファ 2

モスクワのときと同じく2つの美術館を会場にしてるけど、今回はそれがテーマでわかれてなくて、ごちゃまぜになってる。そのせいってわけでもないけど、モスクワのときより今回のほうが導線が明確でみやすかった。大きなほうの会場であるハイファ美術館は普段から現代を扱ってるのに対して、もうひとつの会場であるティコティン美術館は、なんと近代日本美術を専門で扱ってる。僕はハイファのほうで展示をしていて、内容はモスクワのときとはまたずいぶん違うけど、タイトルはおんなじ

 

今日のライブ会場はティコティンの中庭。客席は年配の人がほとんどで、このオープニングは一般公開ではないそうなので、おそらく美術館に寄付したりしてる人たちなのかな。自分の作品に対するおじいちゃんおばあちゃんの食いつきの良さは日本にいてもときどき自覚することがあるけれど、ここでも反応はとてもよかった。これに比べて美術館側の一部の反応の微妙さも確かにあった。始まりも終わりもはっきりしないパフォーマンスに終止戸惑い気味で、僕が頭を下げたあともすぐによくわからない日本の音楽をかけて場を成立させようとしたり(もちろん逆効果)、どうもやりたいことを理解されてない感が拭えなかった。日本美術に造詣が深いぶん、彼らにとってゆるがない美意識があるのかもしれない

 

そういえば去年京都でやった「はじめは動いていた」のときに、バリケードで塞がれた入り口をみて「なるほど」と頷いて帰ってしまった学芸員がいたらしい。耳を疑いたくなるような話だけど、あり得ない話じゃない。例えばテーブルにパンを置いて「これは観賞物です、食べ物ではありません」というと、それが批評的精神に基づいていようが、そうでなかろうが、美術館の中では成立してしまう(僕はそんなの信用しないけど)。でも通常テーブルの上にパンがあればそれは食べ物だし、openの札と同時に入り口が塞がれていたら、疑問に思って別の入り口を探すなり何なりの行動にでるのが自然なことだ。だからこそあの展覧会は成立したわけだし。どこに行っても、まず破壊すべき固定観念は美術の内側に存在しているとおもう

 

とまあなんやかんやありながらも、やりやすい場を提供してもらえて有り難かったです。5年前に僕をテルアビブによんでくれた二リスも会いに来てくれて、いい展覧会だとよろこんでた

 

+

ちなみに前来たときのイスラエルでのライブはわりとしっかりした録音が残っていて、某レーベルのSさんからリリースしないかって持ちかけられてる。5年越しで。内容とは別に、それをCDにすることが試みとしておもしろいかなあ、とか考えると気がとがめてしまって、なかなか踏み切れない。Sさんいわく「これは売れるよ!」ってことなんだけど、Sさんがそう言うってことは、まちがいなく売れないだろうな